日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻1号

Cloning and functional analysis of caffeic acid 3-O-methyltransferase from rice (Oryza sativa)
イネcaffeic acid O-methyltransferaseのクローニングおよび機能解析


Fengqiu Lin, Go Yamano, Morifumi Hasegawa, Hiroyuki Anzai, Shinji Kawasaki, Osamu Kodama
林 鳳秋,山野 剛,長谷川守文,安西弘行,川崎信二,児玉 治


日本農薬学会誌 31, 47-53 (2006) [抄録/PDF]

イネファイトアレキシンの一つであるサクラネチンの生合成酵素 naringenin 7-O-methyltransferase(NOMT)の既に報告されている部分アミノ酸配列を用いて,UV処理したイネ葉のcDNAからO-methyltransferase cDNAをクローニングした.しかし,大腸菌で発現した融合たんぱく質(約41 kDa)はNOMT活性を示さず,caffeic acid 3-O-methyltransferaseの活性を示した.定量RT-PCRの結果,その遺伝子は発芽後1ミ5週間のイネで構成的に発現しており,塩化銅,ジャスモン酸及びUV処理による誘導性はないことが明らかとなった.基質特異性を調べた結果,B環に隣接している水酸基を二つ持つフラボノイド系化合物が良い基質となることが分かった.これらの結果から,以前に報告されたNOMTの部分アミノ酸配列はNOMTではなく,caffeic acid 3-O-methyltransferaseのものであることが明らかとなった.


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