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Thiadiazole carboxylic acid moiety of tiadinil, SV-03, induces systemic acquired resistance in tobacco without salicylic acid accumulation 抗いもち病農薬チアジニル(TDL)は,サリチル酸(SA)の蓄積を介して誘導される全身獲得抵抗性(SAR)を誘導することがタバコにおいて明らかにされている.本研究では,イネにおいてTDLの代謝物として検出されるSV-03について,タバコを用いてSAR誘導効果およびSAR誘導経路上における作用点の解析を行った.SV-03はタバコに感染するウイルス(タバコモザイクウイルス)およびバクテリア(Pseudomonas syringae pv. tabaci)に対する病害抵抗性増強効果を示し,さらにSARマーカー遺伝子の発現を誘導した.この結果から,SV-03がTDLと同様にSAR誘導化合物であることが示された.SV-03の灌注処理はSAの蓄積を誘導せず,さらに,SA蓄積を阻害したNahG形質転換タバコにおいてもSAR誘導効果を示したことから,SV-03がSAR誘導経路上のSAより下流に作用するSAR誘導化合物であることが明らかとなった. |