日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻4号

Characterization of a Nocardioides-based, atrazine-mineralizing microbial colony isolated from Japanese riverbed sediment
日本の河川底質より分離したアトラジン無機化活性を有する微生物コロニー:その分解酵素とNocardioides sp.を主体とする種構成


Koji Satsuma, Maiko Kameshiro, Osamu Hayashi, Kiyoshi Sato, Yasuhiro Kato
薩摩孝次,亀代麻衣子,林 靖,佐藤 清,加藤保博


日本農薬学会誌 31, 420-423 (2006) [抄録/PDF]

アトラジン無機化活性を有する微生物コロニー(A14Nと命名)を日本の河川底質より分離し,その分解酵素と種構成について調べた.A14Nはアトラジンを水酸化アトラジン,イソプロピルアメライドを中間代謝物としてシアヌール酸に分解した.さらに,シアヌール酸のトリアジン環を開裂し,無機化する能力を有していた.A14NはtrzN,atzBおよびatzCと非常に相同性の高いアトラジン分解酵素遺伝子をもっていることが示された.A14NはNocardioides sp.,Mycobacterium sp. およびLeptospira sp. に分類される,少なくとも3種類の系統的に異なる菌種より構成されていた.これらのうち,Nocardioides sp.は,これまで耕地土壌より報告されているアトラジン分解菌であるNocardioides sp.に非常に近縁であることがわかった.このことから,A14N中のNocardioides sp.も同様にアトラジンをシアヌール酸に分解する役割を担っているものと考えられる.


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