日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻1号

Synthesis and nematocidal activity of ascaridole derivatives against Meloidogyne incognita and Aphelenchoides besseyi
アスカリドール類縁体の合成とサツマイモネコブセンチュウおよびイネシンガレセンチュウに対する殺線虫活性


Yao-Pin Yen, Ming-Jen Yeh, Wen-Feng Hsiao

日本農薬学会誌 32, 49-52 (2007) [抄録/PDF]

10個のアスカリドール類縁体を合成し,各種機器分析によって構造を確認した.これらの化合物の生理活性を調べた結果,イネシンガレセンチュウよりもサツマイモネコブセンチュウに対して高い殺線虫活性を示した.Z-3,6-エピジオキシ-1-メチル-4-イソプロピルシクロヘキセンとZ-3,6-エピジオキシ-1-メチル-4-イソプロペニルシクロヘキセンはそれぞれのトランス異性体よりも高活性を示した.合成した化合物の中で,1,4-エピジオキシ-4-イソプロピル-2-シクロヘキセン酸と1,4-エピジオキシ-4-イソプロピル-2-シクロヘキセンカルボン酸メチルエステルは他の化合物よりも高活性であった.高い殺線虫活性を示すためには,環上にカルボン酸やカルボキシエステル残基の存在が必須であると考えられた.市販品であるオキサミルの活性と比較しても,これらの化合物は殺線虫剤として有望視できると考えられた.(文責:編集事務局)


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