日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻2号

Synthesis and anti-juvenile hormone activity of ethyl 4-(2-benzylalkyloxy)benzoates and their enantiomers
エチル 4-(2-ベンジルアルキルオキシ)ベンゾエート類およびそれらの鏡像異性体の合成と抗幼若ホルモン活性


Kenjiro Furuta, Kiyo Ashibe, Hiromitsu Shirahashi, Norihiro Fujita, Haruna Yamashita, Naotaka Yamada, Eiichi Kuwano
古田賢次郎,芦邊希代,白橋浩光,藤田雄大,山下春菜,山田直隆,桑野栄一


日本農薬学会誌 32, 99-105 (2007) [抄録/PDF]

エチル 4-(2-ベンジルアルキルオキシ)ベンゾエート類とそれらの鏡像異性体を合成し,カイコ幼虫に対する早熟変態誘起活性を検討した.エチル 4-(2-ベンジルへキシルオキシ)ベンゾエート(6)とヘプチル誘導体(7)が比較的低薬量で活性を示すことを見いだした.化合物67の鏡像異性体をキラル補助剤オキサゾリジノンを用いて合成した.S体は0.1と1 μgの低薬量においてR体より強い活性を示したが,高薬量では逆にR体の方が強い活性を示した.化合物6の早熟変態誘起活性は幼若ホルモンアゴニストであるメソプレンによって完全に打ち消されたが,20-ヒドロキシエクダイソンの摂食では影響なかった.エステル基は早熟変態誘導活性に必要であった.化合物6S体を5齢幼虫に投与した場合,幼虫期間を延ばし営繭の開始を遅らせた.これは6Sが抗JH活性とともにJH様活性をもつ可能性を示唆している.


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