日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻2号

Effect of culture age on mepanipyrim-mediated inhibition of pectinase secretion in Botrytis cinerea
灰色かび病菌の齢とメパニピリムによるペクチナーゼ分泌阻害との関係


Ichiro Miura, Shinichiro Maeno
三浦一郎,前野真一郎


日本農薬学会誌 32, 106-111 (2007) [抄録/PDF]

メパニピリムの菌糸生育に対する阻害活性について,前培養時間と菌体増殖阻害の関係をみたところ,若い菌体ほど増殖阻害活性が強かった.この傾向はメパニピリムの作用点の一つであるペクチナーゼなどの分泌阻害においても認められた.また,6〜24時間培養に比べて,48時間培養した菌体ではメパニピリムの菌体内への取り込み量が明らかに低下した.さらに,脱共役剤CCCP添加によってメパニピリムの取り込みが阻害されたことから,メパニピリムは菌体内に能動的に取り込まれていると推察された.したがって,菌体齢が進むほど,エネルギー代謝機能が低下し,メパニピリムの取り込み量が減少し,その結果,菌糸生育やペクチナーゼ分泌に対する阻害が低下するものと考えられた.キュウリ灰色かび病防除効果やペクチナーゼの分泌においては,薬剤をより早く処理すると阻害活性が高まる傾向が認められた.


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