日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻3号

Rootstock control of fruit dieldrin concentration in grafted cucumber (Cucumis sativus)
台木選定による接木キュウリ果実中ディルドリン濃度の低減効果


Takashi Otani, Nobuyasu Seike
大谷 卓,清家伸康


日本農薬学会誌 32, 235-242 (2007) [抄録/PDF]

2種類の汚染土壌を用いたポット試験を行い,カボチャ属台木品種の違いが接木栽培キュウリの果実中ディルドリン濃度に及ぼす効果を検討した.低吸収性台木を用いた接木キュウリでは,供試した2種類の穂木品種のいずれにおいても,その果実中ディルドリン濃度は高吸収性台木を用いた場合の50〜70%低減された.接木キュウリ果実中のディルドリン濃度の違いは果実へのディルドリンの分配や果実中の水分含量に起因したものではなく,主に地上部吸収量によって規定されていた.低吸収性台木品種の選定は,汚染地域におけるキュウリ果実中ディルドリン濃度の低減のための実用性の高い技術として期待できる.


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