日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻3号

Volatile sesquiterpenes emitted from leaves of Polygonum longisetum treated with jasmonic acid and its amide conjugates
ジャスモン酸とそのアミド誘導体によってイヌタデ葉から放出される揮発性セスキテルペン


Shigeru Tamogami, Yasuhiro Narita, Shigeharu Suzuki, Tomoyuki Nishizawa, Hidetoshi Hanai, Masana Noma
田母神 繁,成田泰洋,鈴木成治,西澤知之,花井秀俊,野間正名


日本農薬学会誌 32, 264-269 (2007) [抄録/PDF] [Correction]

セスキテルペンの,ジンギベレン,β-エレメン,α-ベルガモテン,β-カリオフィレン,(E, E)-α-ファルネセンなどを,ジャスモン酸で処理されたイヌタデ葉が放出する植物揮発性物質として同定した.これらのセスキテルペンは1 μMの濃度で放出され,相対的な放出量は濃度によって変化した.チオ硫酸銀を使った実験から放出にはエチレンが関与することが示唆された.また,チオ硫酸銀の効果はセスキテルペン間で異なっていた.ジャスモン酸と1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸のアミドは活性を示したが,ジャスモン酸とアミノ酸とのアミドは活性を示さなかった.メバスタチンは,ほとんどのセスキテルペンの放出を抑制したが,ジンギベレンとβ-エレメンの放出は完全には阻害しなかった.JAはイヌタデ葉において,メバロン酸経路とメチルエリトリトール経路をともに活性化していることが示唆された.


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