日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻3号

Effect of fentrazamide on the growth, morphology and anatomy of Echinochloa crus-galli and Echinochloa oryzicola
フェントラザミドがイヌビエおよびタイヌビエの生育,形態,内部組織に及ぼす影響について


Seishi Ito, Chieko Ueno, Toshio Goto
伊藤整志,上野知恵子,五島敏男


日本農薬学会誌 33, 228-233 (2008) [抄録/PDF]

フェントラザミドがイヌビエおよびタイヌビエの形態に及ぼす影響をメフェナセットと比較して検討した.本剤が引き起こす殺草症状は,葉身の濃緑化,新葉の出すくみ,植物全体の成育抑制であり,これらの症状はメフェナセットによる症状と類似していた.本剤処理のノビエの組織切片では,冠根の伸長や分化の阻害,葉の正常な伸展の阻害,細胞の縦方向の伸長の阻害,分げつの分化の抑制等が観察された.これらの阻害は,メフェナセットにおいても同様に観察された.ノビエの第2葉鞘の表皮の細胞を用いて,細胞の縦方向の伸長の阻害を調査した.両薬剤共に,同じように細胞の縦伸長を阻害した.以上の結果から,フェントラザミドが及ぼすノビエの生育,形態に及ぼす影響は,メフェナセットと多くの共通点が見出された.


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