日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻3号

Biocontrol activity in a nonpathogenic REMI mutant of Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans and characterization of its disrupted gene
キャベツ萎黄病菌からREMI法で誘導された病原性欠損変異株の萎黄病発病抑制効果および変異株で破壊された遺伝子の解析


Takanobu Yoshida, Masato Kawabe, Yuichiro Miyata, Tohru Teraoka, Tsutomu Arie
吉田隆延,川部眞登,宮田雄一郎,寺岡 徹,有江 力


日本農薬学会誌 33, 234-242 (2008) [抄録/PDF]

キャベツ萎黄病菌(Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans, FOC)からREMI法によって病原性欠損変異株REMI10を得た.FOCに比べて,REMI10の根部皮層組織への侵入は遅く,内皮からその内側の維管束部へ侵入することはできなかった.キャベツ苗の根部を予めREMI10で処理すると,FOCによる萎黄病の発病が抑制され,REMI10が萎黄病に対する生物防除能を有することが示された.REMI10を処理したキャベツ根部ではFOCの根部への侵入が阻害された.REMI10において,プラスミドの挿入によって破壊された遺伝子は,分泌型アスパラギン酸プロテアーゼと推定されるタンパク質をコードしており,この遺伝子をsap1とした.FOCのsap1破壊株は,病原性を失わなかったため,SAP1はFOCの病原性関連因子ではないと考えられた.


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