日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻3号

Lethal dose and horizontal transfer of bistrifluron, a benzoylphenylurea, in workers of the Formosan subterranean termite (Isoptera: Rhinotermitidae)
ベンゾイルフェニルウレア系ビストリフルロンのイエシロアリに対する致死薬量および職蟻間での水平伝播


Shunichi Kubota, Yoshinori Shono, Nobuaki Mito, Kunio Tsunoda
久保田俊一,庄野美徳,水戸信彰,角田邦夫


日本農薬学会誌 33, 243-248 (2008) [抄録/PDF]

イエシロアリに対するビストリフルロンの致死薬量および職蟻間での水平伝播を,室内強制摂食試験で検討した.試験ベイト中のビストリフルロン濃度は5,000 ppm(wt/wt)とした.ビストリフルロン処理ベイトを1週間喫食させた場合,殺虫効果はゆっくりと発現し,LT50(50%致死時間)は6.2週となった.2週間喫食させた場合,殺虫効果の発現は速まった.ビストリフルロンの効果により苦悶しているシロアリの分析から,ビストリフルロンが効果を示すには400 ngかそれ以上がシロアリ個体の体内に蓄積される必要があることが示唆された.シロアリの体の各部位から検出されたビストリフルロン量は,1週間ビストリフルロン処理ベイトを喫食した直後と,その後2週間無処理ベイトを喫食した後で有意差がなかった.また,1週間ビストリフルロン処理ベイトを喫食した個体(ドナー)から,無処理の個体(レシピエント)へのビストリフルロンの水平伝播量は,ドナーのビストリフルロン摂取量の約6%であり,その後のドナーからレシピエント,レシピエントから他のレシピエントへの伝播量は少なく,ベイトの喫食によりシロアリの個体に摂取されたビストリフルロンの一定量は,その後安定的にシロアリ体内に残存することが示唆された.


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