本会記事 (28巻1号)
I. 平成15年度第4回常任評議員会議事録
日 時:平成15年12月14日(土) 12:30〜15:30
場 所:女子栄養大学3階会議室
出席者:出席者14名
議 事:
(I). 前回議事録の確認
(II). 経過報告
1. 常任編集委員会(H14.10.26):10/26時点の受付論文数は過去1年間分として42編である.Vol.28, No.1への掲載予定は14編である.掲載料に関連して,第28巻2号掲載分より基準ページを報文では6ページに,また,短報では3ページに増やす予定.一方,超過ページ代は1.5万円/ページに改定する.付随して,投稿規定の改正案が示され,平成15年3月21日より施行する予定である.受賞決定の通知には,受賞論文の提出を求めることを明記することとした.受賞論文の掲載では年度を越えて掲載しない.学会誌に掲載するロゴマーク(5角形)を学会のロゴマークとすることが承認された.
2. 21世紀記念事業
i) 基金:12月14日時点の募金集計は,企業団体から923万円,学会会員から584万円(内,2口以上の寄付者は99人),記念出版書籍(「日本の農薬開発」)の販売収入予定金を含め約1877万円である.記念シンポジウム関係の経費に250万円,「日本の農薬開発」の出版に495万円,「次世代の農薬開発」の出版に300万円,献本送料に30万円,また,国際学術交流支援として725万円(3rd Pan-Pacific:450万円,11th IUPAC:200万円)の支出が予定されている.
ii) シンポジウム:計6回の市民シンポジウム,12月13日の「農薬生態影響の評価手法と課題」シンポジウムが終了した.今後,平成15年3月14日に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」シンポジウムが予定されている.市民シンポジウムは6回分をまとめて報告書を作成する予定である.
iii) 出版:「日本の農薬開発」が完成した.「次世代の農薬開発−ニューナノテクノロジーによる探索と創製」は平成15年3月に出版の予定で順調に進行している.ソフトサイエンス社より出版の予定である.「環境負荷化学物質の科学」については大川秀郎氏が今後の進め方を検討している.
3. 国際会議
i) 第3回環太平洋農薬科学会議(2003):日本側の作業はTopic Aが宮川恒氏(京都大学),Topic Bが上山功夫氏(バイエルクロップサイエンス),Poster が芳賀隆弘氏(石原産業),赤松美紀氏(京都大学),星野敏明氏(バイエルクロップサイエンス)により進められている.日本側参加者に対して補助金(70,000円/人)を出すことが承認された.基調講演については今回は企業のトップエグゼクティブにお願いし,日本側は住友化学専務取締役・大庭成弘氏が行うこととなった.米国側はダウ・ケン ラッキー氏を通じて候補者を調整中である.米国側は40名のポスター発表が確保されたようであり,日本側も多くの発表を集める必要がある.現地の事前視察のため,大川秀郎氏,梅津憲治氏,上山功夫氏が渡米する事となった.
ii) 11th IUPAC ICPC:11月16日に横浜にてIUPAC農薬部門委員長のケン ラッキー氏と会談した.組織委員会(Executive Committee, Local Organizing Committee, Scientific Program Committee, International Committee)を第28回農薬学会総会での承認後,正式に発足させることとなった.大会のタイトルは“11th IUPAC International Congress of Pesticide Chemistry ―Evolution for Crop Protection, Public Health and Environmental Safety―”で運営する.経費約1億円で計画しているが,IUPAC事務局より妥当であると判断されている.
4. 農薬学会第28回大会:3月21日に評議員会,編集委員会を名城大学で開催する予定で,そのスケジュールは佐々木満氏がまとめる.大会は3月22〜24日に開催され,総会,受賞講演,および一般講演は名城大学,懇親会をマルベリーホテルで開催する予定である.
5. 学会賞選考委員会:受賞者及び大会時の座長について説明された他,学会賞及び賞選考のあり方を見直していること,そのために実施したアンケートの結果を紹介された.意見や討論の中心は,業績できちんと評価して受賞者を選考すべきであるというものであった.
6. 生態影響WG:生態影響評価に関する「基本的考え方」をまとめ,客観性を持たせるために国立医薬品食品衛生研究所・関沢純氏に校閲を受けた後,農薬学会HP及び赤頁にも案内を掲載した.WGを継続して開催し,「基本的視点」をまとめるために討論中である.1月中には案をまとめるべく活動している.米国のように,大きな枠組みを作って,その後はケースバイケースで管理していくような手法を検討したり,そのような手法を提言することも考えたほうがよいとの意見が出された.
7. 残留農薬分析検討会:11月2日に開催された検討会について報告された.その検討会に基づいて,分析機関に対するアンケートの実施,学会HPへ分析に係る基本的手順,考え方等を掲載,小冊子「農薬残留分析の基本的事項」を作成が計画され,進められている.WGが継続的に活動するため,予算項目に「重点項目」といった項目を作ったほうが管理しやすいと提案され,承認された.
8. 日本学術会議:日本学術会議の改革案が検討中であり,「在り方委員会」と「内閣府専門調査会」の両案を比較して説明された.現在はパブリックコメント募集中であり,来年3月の閣議にかけて決定される予定である.会員選出方法を含め,全般的にかなり変革されるものと予想される.
9. 次期役員選挙:選挙結果が紹介された.また,次回の常評に副会長等の役員の案を提示することが確認された.
10. 財務報告:学会退会者が多く会費の収入が減少しているが,何とか例年並で運営できそうである.21世紀の記念事業の決算は2月の常評で報告する予定である.
11. 日植防協会・3学会連絡会:事務局外注の件は,経費的な面から従来通り日植防協会に所属するままとなった.
12. 農学会運営委員会(H14.11/28):特に,農薬学会が関係する討論はなかった.平成15年1月14日に評議員会が開催される.平成16年度の農学会賞は農薬学会の推薦により進められる.
13. 国際植物保護科学会議:山本出氏より学会に支援依頼がなされており,経費の支援と次期執行部における委員を検討する必要がある.本日午後の将来計画委員会で取り上げられる.
(III). 議案
1. 入退会の承認:原則的に承認された.
2. ロゴマーク:学会誌用のロゴマークを農薬学会のロゴマークとすることについて承認した.
II.平成15度日本農薬学会賞授賞者決定
学会選考委員会で選考された奨励賞,業績賞(研究,技術)の受賞者について,評議員(会長,副会長を含む)による無記名投票の結果,平成15年度日本農薬学会賞の受賞が以下の通り決定され,受賞者講演における座長も常任評議員会で決定された.また,編集委員会より推薦され,学会賞選考委員会で選考された論文賞受賞者が常任評議員会で決定された.
奨励賞
1. 稲生圭哉(環境省)
水稲用農薬の挙動予測モデルの開発
業績賞(研究)
1. 山本広基(島根大)
土壌環境中における農薬の微生物生態影響評価に関する研究
2. 石井康雄(農環研)
残留農薬の効率的な分析法の開発に関する研究
業績賞(技術)
1. 三浦友三・馬渕 勉・東村 稔・天沼利宏(日本農薬)
除草剤ピラフルフェンエチルの開発
2. 鈴木久人・直原一男(バイエルクロップサイエンス)・臼井義浩(三菱ウェルファーマ)・園田正則(全農)
除草剤オキサジクロメホンの開発
論文賞
1. 村田伸治(日本農薬)
論文名:Mechanisms of selective action of a protoporphyrinogen IX oxidase-inhibiting herbicide pyraflufen-ethyl between wheat (Triticum aestivum) and Cleavers (Galiun aparine)
Vol. 27, No. 1, pp. 47‐52 (2002)
III. 平成14年度第1回将来計画委員会議事録
日 時:平成14年12月14日(土)16:00〜17:00
場 所:女子栄養大学第1会議室
出席者:安部浩,石田三雄,上路雅子,梅津憲治,江藤守総,大川秀郎,佐々木満,西村勁一郎,松中昭一,丸茂晋吾,満井喬,山本 出(12名)
議 案:
1. 21世紀記念事業
梅津憲治氏が21世紀記念事業基金の募金状況,記念シンポジウムの実施経過と予定,および記念出版事業の進捗状況について報告した.
1) 基金:12月14日時点の募金額は,企業団体から923万円,学会会員から584万円であり,記念出版のひとつ「日本の農薬開発」の販売収入予定や緑の安全推進協会からの財政支援を含めて約2000万円となる予定である.記念シンポジウム関係の経費に250万円,「日本の農薬開発」の出版に495万円,「次世代の農薬開発」の出版に300万円,献本送料に30万円,また,国際学術交流支援として725万円の支出を予定している.
2) 記念シンポジウム: 12月13日の「農薬生態影響の評価手法と課題」シンポジウムを含め計7回の記念シンポジウムが終了した.今後,平成15年3月14日に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」に関するシンポジウムを予定している.
3) 記念出版:本学会編の「日本の農薬開発」が完成した.委員からは本書の英文化の要望があった.「次世代の農薬開発−ニューナノテクノロジーによる探索と創製」は来年3月にソフトサイエンス社より出版の予定である.「環境負荷物質の科学」については今後の進め方を検討している.
2. 第3回環太平洋農薬科学会議
梅津憲治氏が2003年6月1日〜4日に,本会議をハワイで開催する予定で準備を進めていることを本会議の1stサーキュラーに基づいて報告した.日米以外,特にアジアからの参加者を多く呼べる資金援助等の方策が必要との意見があった.
3. 第11回IUPAC農薬化学会議
大川秀郎委員長が,IUPACより依頼のあった本会議を2006年8月6日〜11日に神戸で開催する予定であることを本会議の1stサーキュラーに基づいて報告した.参加者を多く呼べるテーマとトピックを何にするか等が今後の主要な検討事項であるとの意見があった.
4. その他
1) 農薬学会誌の改訂:西村勁一郎氏が28巻1号より学会誌の内容を英文編と和文編に分けること,表紙やロゴマークを変更すること等を報告した.
2) 国際植物保護科学会:山本出氏より国際植物保護科学会の東・東南アジア地域センター経費の支援依頼と次期執行部における本学会からの委員の検討依頼があった.