日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
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会長メッセージ


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日本農薬学会 会長  松本 宏

   この度、第18期(2009年4月-2011年3月)の会長を務めることとなりました。さて、日本農薬学会は、作物保護や農薬に係る諸問題への科学的なアプローチを目的として昭和50年(1975年)に設立されて以来、これまで一貫して「農薬および関連化合物に関する基礎的知見の集積を通した農薬科学の発展」および「農薬の安全性や環境影響に関する理解の促進」を目的とした活動を行ってまいりました。その内容は、学会誌の出版、年次大会や各種セミナーの開催、国際学術集会および農薬の安全性に関するシンポジウムの開催など多岐にわたっており、また、いずれも国内外から高い評価を得ております。
   学会活動は専門分野や知的興味を共にする人々が自発的に参加して行うものです。幅広い活動を展開して行くには多くの会員が役割を分担して運営することが不可欠です。事実、多くの学会活動が、常任評議員を始め各種委員会の委員長や委員の皆様の努力で成り立っております。皆様ご自身のお仕事のある中で、学会を献身的に支えていただいておりますことに改めて感謝申し上げます。今期の運営につきましては、「学会活動をできるだけ目に見える形でかつ円滑に実施することにより、会員の皆様および社会の期待に応えること」を基本理念としたいと考えます。会員の皆様が学会に期待することが多様であることは理解しておりますが、新しくスタートする将来計画の策定の中で農薬学会の使命や会員の期待にどう応えるかについても再検討してまいりたいと思います。加えて、学会誌のさらなる強化、国際活動(本年10月開催の日中韓Workshop, 2010年7月に予定される第12回IUPAC-ICPC, 2012年開催予定の第4回Pan-Pacific Conference on Pesticide Science )への積極的な取組み、専門委員会や小集会活動の促進、さらには社会貢献に向けた活動の強化などを考えております。
   現在、食の安全性に多くの関心が寄せられていますが、爆発的な人口増加に伴った食糧危機が懸念されながらも、将来に渡った十分な量の確保のための議論はあまり出てきていないように感じます。一方では、人間活動を要因とする地球環境の変動が明らかとなり、生態系の保全も危惧されています。このような中で、農薬は近年の飛躍的な研究成果を背景に、安定的かつ高品質の農業生産に大きく寄与してきており、今後も重要な農業資材として活用されるものと考えます。また、生態系への影響抑制については極めて多角的な観点から検討が継続されると認識しています。今後、農薬科学のさらなる発展を図り、農薬に関する科学的知見のさらなる蓄積、さらには、正しい理解の促進に向けて皆様と一緒に頑張って行きたいと思いますので、これまで以上のご理解、ご支援をお願い申し上げます。
   平成21年4月

日本農薬学会長
松本 宏


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